教育勅語の何が悪いのか、考えてみました。あ、突然すみません^^;
最近、ちょくちょくニュースに出てる教育勅語、何であんなに大騒ぎしてるの?って思ってました^^;
なので、教育勅語の何が悪いのか徹底的に調べてきましたのでレポートしてみます。
目次
教育勅語 読み方
先ずは教育勅語の読み方から、『きょういく ちょくご』と読みます。
因みに勅語とは天皇が国民に対して発する言葉という意味です。
教育勅語とは簡単に言いますと天皇が国民に対し発する教育に関する言葉という事です。
具体的には教育ニ関スル勅語(きょういくにかんするちょくご)と言いまして、1890年(明治23年)10月30日、時の明治天皇が国民に対して発した道徳観です。
教育勅語の何が悪いの??
1890年に明治天皇が発した教育勅語の何が悪いのか?って事ですが、今、問題になっている柴山大臣の発言の問題と、教育勅語の本質的問題と2つありました。
それぞれについて解説します。
教育勅語の問題点 | 柴山大臣の件
最近、ニュースで騒ぎになっています、柴山文科大臣の…『教育勅語をアレンジして道徳に使う…』発言ですが、左翼系の新聞や議員から袋だたきに合ってますよね。
『教育勅語容認する人間が文部科学大臣になって良いのか!』って^^;
同じ右翼系の議員からも『就任早々から言うべき発言では無い』と言われてしまっています。一応言っておきますが私は右翼左翼どちらも無い中間系です^^;
そんな私から見ると、この問題『別に問題ないんじゃ無い』って思っちゃいます。
この柴山大臣の問題ってNHK記者とのことやり取りから出たのですが…。
その時の動画がこちら。NHKの記者に対して2分3秒くらいから教育勅語について答えています。
どうでしょうか?
問題ありますかね?
ちょっと書き起こしてみますと…。
…と言う内容でした。
ご覧のように、柴山大臣が突然教育勅語を容認した!とかではなく、過去の文科大臣の考えを踏襲してるだけです。
別に柴山大臣が今回大臣になった事によって、急に出た話しとかではなく過去の大臣の考えを引き継いでるだけなのに、なぜ左派系の議員やマスコミがここで騒ぐのか変だと思いました^^;
もし言うなら前の大臣ときにも言わなきゃダメじゃね?って思います。
ですので、教育勅語の問題点として柴山大臣の一歩踏み込んだ発言…と言うのは問題提起にもなっていないような気がします。
繰り返しますが、私は右でも左でもないただの中間系のサラリーマンです^^;
で、柴山大臣の一歩踏み込んだ発言が問題提起になっていないと言うと、イヤイヤそ言う事じゃなく、『アレンジして使うってとこが問題なんだよ』って言う左派系のマスコミとかがいますので、これについても調べてみましたので解説してみます。
そもそも、なんでアレンジすらダメなのか。。
教育勅語の問題点 | 文章の読み方によって…
そもそもなぜ教育勅語はアレンジしてでも使っちゃダメなのかって話しなのですが、これは教育勅語の文章をどう読むかって話しなのです。
教育勅語って、マジでちゃんと読むと、『軍国主義』へ誘導する構成になっているんです。
どういうことかを解説していきますネ。
次章に『教育勅語の原文』を載せます。絶対読めないと思いますが^^;
その後の章に、教育勅語の『読み下し分』、そのまた後の章に『口語訳』と載せますので、『口語訳』だけでもサラッと読んで見て下さい。
その後『軍国主義』誘導する構成について解説していきます。
教育勅語 原文
教育勅語の原文はこうなっています。
以下引用
朕惟フニ我カ皇?皇宗國ヲ肇ムルコト宏遠ニ德ヲ樹ツルコト
深厚ナリ
我カ臣民克ク忠ニ克ク孝ニ億兆心ヲ一ニシテ世世厥ノ
美ヲ濟セルハ此レ我カ國體ノ精華ニシテ敎育ノ淵源亦實ニ此ニ存ス
爾臣民父母ニ孝ニ兄弟ニ友ニ夫婦相和シ朋友相信シ恭儉己レヲ持シ
博愛衆ニ及ホシ學ヲ修メ業ヲ習ヒ以テ智能ヲ啓發シ德?ヲ成就シ進テ
公益ヲ廣メ世務ヲ開キ常ニ國憲ヲ重シ國法ニ遵ヒ一旦緩急アレハ
義勇公ニ奉シ以テ天壤無窮ノ皇運ヲ扶翼スヘシ是ノ如キハ獨リ朕カ忠良ノ
臣民タルノミナラス又以テ爾?先ノ遺風ヲ顯彰スルニ足ラン
斯ノ道ハ實ニ我カ皇?皇宗ノ遺訓ニシテ子孫臣民ノ俱ニ遵守スヘキ所之ヲ
古今ニ通シテ謬ラス之ヲ中外ニ施シテ悖ラス朕爾臣民ト俱ニ拳々服膺シテ
咸其德ヲ一ニセンコトヲ庶幾フ
明治二十三年十月三十日
御名御璽
読めないですよね^^;
ふり仮名を入れた原文は下記です。
教育勅語 原文 | 読み下し分
教育勅語の読み下し文です。
朕(ちん)惟(おも)フニ、我ガ皇祖(こうそ)皇宗(こうそう)、國ヲ肇(はじ)ムルコト
宏遠(こうえん)ニ、徳ヲ樹(た)ツルコト深厚(しんこう)ナリ。
我ガ臣民(しんみん)、克(よ)ク忠ニ克(よ)ク孝ニ、億兆(おくちょう)心ヲ
一(いつ)ニシテ、世々(よよ)厥(そ)ノ美ヲ済(な)セルハ、此(こ)レ我ガ國体ノ
精華(せいか)ニシテ、教育ノ淵源(えんげん)、亦(また)実ニ此(ここ)ニ存ス。
爾(なんじ)臣民、父母ニ孝(こう)ニ、兄弟(けいてい)ニ友(ゆう)ニ、
夫婦相和(あいわ)シ、朋友(ほうゆう)相信ジ、恭倹(きょうけん)己(おの)レヲ持(じ)シ、
博愛衆(しゅう)ニ及ボシ、学ヲ修メ、業(ぎょう)ヲ習ヒ、以テ智能ヲ啓発シ、
徳器(とっき)ヲ成就(じょうじゅ)シ、進ンデ公益(こうえき)ヲ広メ、世務(せいむ)ヲ開キ、
常ニ國憲ヲ重(おもん)ジ、國法ニ遵(したが)ヒ、一旦緩急(かんきゅう)アレバ、
義勇公(こう)ニ奉(ほう)ジ、以テ天壌(てんじょう)無窮(むきゅう)ノ
皇運ヲ扶翼(ふよく)スベシ。
是(かく)ノ如(ごと)キハ、独(ひと)リ朕ガ忠良(ちゅうりょう)ノ臣民タルノミナラズ、
又以テ爾(なんじ)祖先ノ遺風(いふう)ヲ顕彰(けんしょう)スルニ足ラン。
斯(こ)ノ道ハ、実ニ我ガ皇祖皇宗ノ遺訓(いくん)ニシテ、子孫臣民ノ倶(とも)ニ
遵守(じゅんしゅ)スベキ所、之(これ)ヲ古今ニ通ジテ謬(あやま)ラズ、
之(これ)ヲ中外(ちゅうがい)ニ施(ほどこ)シテ悖(もと)ラズ。
朕、爾臣民ト倶ニ拳々(けんけん)服膺(ふくよう)シテ咸(みな)其(その)徳(とく)ヲ
一(いつ)ニセンコトヲ庶幾(こいねが)フ。
明治二十三年十月三十日
御名御璽(ぎょめいぎょじ)
多少、読めても意味が分から無いですよね^^;
口語訳を次に載せます。
教育勅語の口語訳
教育勅語の口語訳です。
私は、私達の祖先が、遠大な理想のもとに、道義国家の実現をめざして、
日本の国をおはじめになったものと信じます。
そして、国民は忠孝両全の道を全うして、全国民が心を合わせて努力した結果、
今日に至るまで、見事な成果をあげて参りましたことは、
もとより日本のすぐれた国柄の賜物といわねばなりませんが、
私は教育の根本もまた、道義立国の達成にあると信じます。
国民の皆さんは、子は親に孝養を尽くし、兄弟・姉妹は互いに
力を合わせて助け合い、夫婦は仲睦まじく解け合い、友人は胸襟を開いて信じ合い、
そして自分の言動を慎み、全ての人々に愛の手を差し伸べ、学問を怠らず、
職業に専念し、知識を養い、人格を磨き、さらに進んで、社会公共のために貢献し、
また、法律や、秩序を守ることは勿論のこと、非常事態の発生の場合は、
真心を捧げて、国の平和と安全に奉仕しなければなりません。
そして、これらのことは、善良な国民としての当然の努めであるばかりでなく、
また、私達の祖先が、今日まで身をもって示し残された伝統的美風を、
さらにいっそう明らかにすることでもあります。
このような国民の歩むべき道は、祖先の教訓として、
私達子孫の守らなければならないところであると共に、
この教えは、昔も今も変わらぬ正しい道であり、また日本ばかりでなく、
外国に行っても、間違いのない道でありますから、
私もまた国民の皆さんと共に、祖父の教えを胸に抱いて、
立派な日本人となるように、心から念願するものであります。
※ 国民道徳協会訳文による
口語訳になると文章全体で何を言ってるか理解できますよね。さらにポイントを12に絞って箇条書きにした『十二の徳目』というものがあるので次に載せてます。
教育勅語の十二の徳目
教育勅語『十二の徳目』です。教育勅語の本質が見えるものです。
以下引用
1. 親に孝養をつくしましょう(孝行)
2. 兄弟・姉妹は仲良くしましょう(友愛)
3. 夫婦はいつも仲むつまじくしましょう(夫婦の和)
4. 友だちはお互いに信じあって付き合いましょう(朋友の信)
5. 自分の言動をつつしみましょう(謙遜)
6. 広く全ての人に愛の手をさしのべましょう(博愛)
7. 勉学に励み職業を身につけましょう(修業習学)
8. 知識を養い才能を伸ばしましょう(知能啓発)
9. 人格の向上につとめましょう(徳器成就)
10. 広く世の人々や社会のためになる仕事に励みましょう(公益世務)
11. 法律や規則を守り社会の秩序に従いましょう(遵法)
12. 正しい勇気をもって国のため真心を尽くしましょう(義勇)
教育勅語の問題点『軍国主義』誘導する構成について
『教育勅語の口語訳』や『十二の徳目』を1からサラッと読むと、親孝行とか兄弟仲良く、夫婦愛など非常に良い事が書かれています。
親なら喜んで子供に伝えたくなる内容です^^;
でも最後のほうまで読むと…
非常事態の発生の場合は、真心を捧げて、国の平和と安全に奉仕しなければなりません。
…とあります。
これは、案に『戦争になったら国のために戦う事』と言っています。
『それが真心』と。
当時の絶対的権力者である、天皇が発してる訳です。
この文章が左派系にはビンビン来る訳です^^;
つまり教育勅語の最後の文は、『いったん戦争が起きれば自分の命を国のために捧げましょう。と言う非常に危険な愛国心&軍国主義を誘発してる文章だろ!』ってのが、左派系の言い分です。
教育勅語の問題点 | 親孝行の親って!?
教育勅語の問題として最後の文以外の文章も、その本質を読み解くと『問題だろ』ってのがあります。
例えば親孝行、直接的な親子関係における『親』という意味だけではなく、教育勅語で言う親とは『天皇』の意味も有るのです。
つまり天皇へ孝行する事が大事と最初に言っておき、最後のほうで、その天皇が『いったん有事になったら真心をもって国のために戦え』と言ってる訳です。
なんか、巧妙に誘導されてる感じですよね^^;
あと夫婦の和も働く夫を支える妻と言うことが前提になっていて良く言えば内助の功、はっきり言うと男尊女卑が前提になっています。
女性の活躍が目まぐるしい現代の『夫婦の和』とは、全く違うニュアンスなんですね。
これらの事は1937年(昭和12年)に当時の文部省が日本の説明書として作った『国体の本義』(こくたいのほんぎ)という書物と一緒に読み解くと分かってきました。
教育勅語の問題はやっぱりコレ
教育勅語の問題は、男尊女卑的な時代錯誤的な文章も問題ですが、やっぱり構成が天皇への忠誠、愛国心、軍国主義へ向かう文章構成になっている事です。
教育勅語反対派は、ここが最大の問題と言っています。
こうした教育勅語の本質的な所から考えるとアレンジするとは言え、現代の教育に使うと言うのは言語道断だろう!と言うのが左翼系の意見な訳です。
これは、これで全うな意見ですよね。
逆に柴山大臣のような教育勅語肯定派は、そこまで深く読み込まず(読んでるのかも知れませんが(^^;)
親孝行とか夫婦の和などキーワードをそのまま使うのは問題ないとしてるのだと思います。
これもこれで分かる気がします^^;
教育勅語 問題点のまとめ
いかがでしたか?教育勅語の問題点をレポートしてみました。
教育勅語の問題点は、1つ1つの文章は今でも十分使える良いことにが書かれています。でもその文章の意味や構成まで深く考えると天皇忠誠や軍国主義、愛国心、男尊女卑など明治時代の考えがズバッと入ってる訳です。
柴山文部科学大臣発言は教育勅語をキーワードとして採用しようという賛成派と、文章を深読みして本質まで考える反対派のズレから来てるんでしょうね~。
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